第3章 そして出会った
「何を見ているの?」
俺が一人で体操座りをして、遠くの大人達をぼんやり眺めていると、声をかけられた。
見上げてみると、同い年くらいの少女だった
綺麗な子だな、と思ったけれど、外国の血をひいているのか髪の色素が薄くて、不思議な雰囲気だった。
「大人達が何か見つけてくれないかなーって眺めてる。」
「何かって?」
「知らないの?朝から持ち切りだよ、隕石の話で。ここの辺りで墜落したらしいから、みんな一生懸命探してるんだ」
「ああ、そういえばそうだったね。」
今思い返しても、やっぱり彼女は変だった。ここの町の人なら、聞かないでも知っている話だし、そうでなくともこんなに無関心なのは不自然過ぎた
「君はこの事に興味無いの?」
「そうね…。隕石のこともなかなか興味深いけれど、やっぱりこの星のことが気になるかしら。」
「へぇー。天文学とかじゃなくて、地球の自然ってこと?」
「そうね。例えば、動物や植物がどう生きているのかとか」
やっぱり星に興味のある人もいれば、違う人もいるんだな、と俺は思っていた
それと同時に、俺と違ったものに興味を持ち、不思議な雰囲気の少女に興味があった
「俺は星川銀河。よろしく。君の名前は?」
「アリスよ。よろしくね、銀河」