第2章 あの夜の後
あの子と出会う前、俺たちの町には隕石が落下した。
あのときの地面の揺れ、そして衝撃による大きな風、一瞬にして昼になったかのような光り。そして鼓膜が破れそうになるくらいの音
俺は全てを覚えている。
幸い、隕石はだいぶん威力が削がれていたうえ、あんなド田舎の裏山に落ちたからか誰も怪我人は出なかった
隕石が落下し、怪我人はなし。これだけでも十分大ニュースだったが、世界中が大騒ぎをした出来事がある。
当然、隕石が墜落したなら、専門家や野次馬、天文が大好きな一般人達が総出で隕石を見にやって来るだろう
実際にそうだったし、俺も中坊の分際でその軍団の中にいた。
裏山をみんなが一生懸命探したのを覚えている
そう、そんなに大騒ぎになる隕石なら、普通は一目でどこに落ちたかわかるぐらい大きな穴が空いていたり、隕石の欠片が残っていたりするものだ
でも裏山には…何一つ手掛かりは残っていなかった
専門家達は躍起になって探そうとしたけれど、結局無理だった。
この謎は今でも解決していない。
中学生ではあまりにも非力で無理だと思っていた俺は、そうそうに諦め、でももし、手掛かりが見つかったら…。という思いで、大人達を少し遠くで見ていた