第58章 過去の時間(殺せんせーversion)
「珪素プラットフォーム定着確認。いよいよ明日から加速粒子の封入試験を開始する。……ああ、モルモット。おまえは何も心配するな。どのみち俺の崇高な研究は聞いても理解できんしな。」
生命の中で「反物質」を生成させる
それが柳沢の研究の核心だった……
反物質生成に必要な「粒子の加速サイクル」を生命のサイクルに組み込み
巨大なエネルギーで細胞のエンジンを始動させる
あとは
細胞自身のエネルギーにより粒子は加速を与えられ続け
生きている限り反物質の生成を続ける仕組みだ
素人が聞いても理解不能な超理論だが・・・
「柳沢。手足が大分しびれますね。寒気も々」
「『さん』を付けろ。……チッ末梢神経障害が出てるのか。」
「アルカロイド系はもう投与を止めた方が……」
「そうだな・・・高分子重合に影響が出たら元も子もない」
「死神」の知識は並の科学者を凌駕していた
暗殺のためにあらゆる知識を身につけた彼は、
実験台の上で1か月も過ごす頃にはこの超理論の要点をほぼ完璧に理解していた。
私自身が実験を巧みに誘導すれば・・・成功確率はさらに高まる。
人知を超えた破壊の力が手に入る!!
「死神」は確信していた
近い将来手に入る新しい力で・・・
再びまた破壊の日々へと戻れる事を