第10章 告白
ト「え・・・・え?もう一回言って?!」
やだ・・・やだ!なに言っちゃってんの私!!!
「あの、いや、なんでもない!」
むりだ。トド松くんはきっと本気じゃない。本気って言ってるけど本気じゃない。私が馬鹿を見るだけだ。よし、帰ろう。
「トド松くん、帰ろっか。銭湯閉まっちゃうよ?」
ト「・・・ななみちゃん、ごまかさないで?」
ーーーそんっなウルウルした目で見つめないでくれるかな・・・!
「・・・っ・・・・・」
ト「・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
ト「・・・・・ねぇななみちゃん、ボク、君の彼氏になりたいな・・・」
「・・・・・・ッ・・」
ーーーそんな言い方ずるい・・・頷くしかないじゃん!!!
ト「いいの?いいの?ボクと付き合ってくれるの?」
途端にパアッと顔が明るくなる。
「・・・私も、トド松くんのこと好きだもん・・・」
恥ずかしくなり目線を落としながらポツリと呟く。
「ッ・・・ちょ、トド松くんっ」
好きだと伝えた途端にトド松くんにぎゅっと抱きしめられた。
ト「嬉しいよななみちゃん!これからはボクがちゃんと守るからね!」
「あ、ありがとう・・・」
ト「てことでななみちゃん、付き合った記念!ハイチーズっ」
トド松くんの目線の先を見るとその手には携帯電話。
"ハイチーズ"の声と共にシャッター音が響いた。
画面の中には顔を寄せニッコリ笑うトド松くんと、間の抜けた顔で映っている私がいた。
ーーー今日から、今から、私はトド松くんの彼女になった。