第11章 其ノ拾
何故か急にそんなことがスッと言えてしまった。
だけどすぐに何を言ってしまったんだと後悔する。
大『え…。』
二『あ… 違……』
大『もちろんだ…… 愛してる』
一瞬戸惑ったように固まったけど、すぐにそう答えて抱きしめる腕を強くした。
二『すみません……何を言って…』
自分の中で訳が分からなくなって涙が溢れ出してしまう。
大『和也。 泣くでない。
なんだかお前には辛い思いをさせてしまったな… すまない。
和也以上に大切なものなんてない。
愛しているんだ…。』
そう言うと、両指で涙を拭い熱く長い
口づけを交わしあった。
この先何があったとしても離れる事だけはない
…そんな誓いのように、この時は思っていたし信じていたんだ。
一部 終わり…