第10章 其ノ玖
松『それでは、いざ…真剣に。』
国『いざ。 勝負!』
そう言うと、二人とも剣を抜いて跳び上がるとその瞬間には二つの刃が当たる音が鳴り響いた。
ーシャン シャン シャキーンー
松『影丸殿… 情けは無用にございます。
殿への見せしめにも、二刀流お使い下され』
国『…良いのでございますか。 少しの怪我では済みませんぞ』
松『もちろん。こちらこそ、お言葉お返ししますよ』
二人とも、ふっと笑うとまた戦いを再開させる。
櫻『…本当に …大丈夫なんでしょうか』
大『いや…。 私も、影丸殿がここまでとは思っていなかったな。
この勝負、影丸の軍配であろうな。』
もの凄い気迫のやり合いにもはや、目を閉じてしまった翔を父上の見えないところで肩を撫でて言った。