第19章 二・其ノ捌
まただ…
そう思いつつも皆とりあえず、智の言葉を待つ。
大『お前ら二人ともウチに入りなさい。』
『『……はい?』』
……やっぱりな。
想像した通りだと真田の者たちはまた呆れたため息をはくが剛と健は只驚きの表情を智に向ける。
大『徳川への、交換条件なら幾らでもある。
それは私が直接行ってなんとかいたそう。…どうだ?考えてはくれないか?』
二人顔を見合せ黙りこんでいたが、先に健が口を開いた。
三『……智様が、そこまで… ご自分で直接行って
くださると言うのでしたら…私はまあ…』
森『俺はまあ伊三入道が良いならいいぞ?
しかし…ほんに真田の長兄殿は…面白いな……くくっ……』
そう言って笑いだした剛を見て、健も緊張感も解れたように一緒に笑いだしたのだった。