第15章 今日は貴方の誕生日 〜黒尾鉄朗〜
「黒尾さん、お身体の方はどうですか?」
看護婦さんが私の病室までやってきて、体調を聞いてくれる。
『大丈夫みたいです』
「心〜頑張ってくれた、ほんと、ほんとに…!!」
看護婦さんが来てくれたっていうのに、鉄朗さんはまだぐすぐす泣きじゃくってる。
「そんなにきつく抱きしめちゃダメですよ、もっと優しく…」
『ほんとだよ!鉄朗さんの馬鹿力で潰れちゃう』
「うわぁあぁあああん」
『あぁもうほら泣いちゃった』
鉄朗さんの腕の中で泣きじゃくる小さなその子を、優しく抱きとめる。
『貴方はパパに似ないでね〜泣き虫ちゃんは嫌よ?』
「心、ひでぇよ〜」