第11章 私流コーディネート ♥︎ 〜瀬見英太〜
『……』
「…」
ホテルからの帰り道。
少し気まずい空気。
ーー繋がれた手。
『…あの』
「…ん」
『私、ちゃんと瀬見くんのこと、好きだから』
しっかり彼の目を見つめながら、はっきりとした声で伝える。
「…さっき、きいた」
彼からの返事は、そっけなくて。
でも。
今回は赤い顔と握られた手の暖かさで、チャラにしておいてあげようかな。
『……次のデートの時は、お芋セーター禁止だからね』
「えっ、あれダメなのか!?」
…彼のコーディネートは、やっぱり私じゃないとダメみたいです。
〜fin〜
→あとがき