第10章 バカに効く薬 ♥︎ 〜花巻貴大〜
こんなことになったのは、昨日の放課後までさかのぼる。
私、バレー部のみんなと花巻くんと、一緒に帰ってたんだけど…。
突然、及川くんが私のことをキラキラした目で見てきた。
「心ちゃんって、何カップ?」
「おい、クソ川!!!なんてこと聞いてんだ!!!」
岩泉くんがすごい剣幕で怒って、及川くんをフルスイングで殴り飛ばす。
「いったーーい!!イイじゃん別に!!」
「良くねぇクソ川!!!」
ふたりがきゃっきゃしてるのをよそに、花巻くんと松川くんが呆れ顔で私を見て。
「心は胸、あるからな…童貞には刺激が強いんだよ」
花巻くんがそういうもんだから…。
大丈夫な会話だと思ったんだよ。
『及川くん、私の胸ってそんなあるかな?私としては、Dカップって普通くらいだと思うんだけど…』
話しながら、自分で胸を持ち上げてみた。
…うん、普通だよね。
『これくらいじゃ挟めるものも挟めないし』
「はっ、挟むって…!!」
私の発言を聞いた及川くんが顔を真っ赤にして、それ以上は何も言わなくていいって言ってきた。
こと、が…ダメだったみたいなんだけど。