【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》
第5章 愛の溢れた、黒い太陽
「トド松ー?早く帰って来ないとチョロ松兄さんが怒るよー?」
「おそ松兄さんも、出掛けないで僕と遊ぼうよー!」
いつもより少し大きな声で叫んでみた。
だけど空が声を呑み込み、消えて行く。
二人はいない。二人どころか、人気すらしない。
幻覚でもいいから、二人に会いたいなぁ…
このまま前みたいに、魂を食べて、狂ってしまえたら楽なのに。
「何で、天界に戻したかなぁ…」
はた迷惑だ。おそ松兄さんに会いたいが為に僕を救うフリでもしたんだろ?
頼んでもいないのに、望んですらいないのに勝手に契約しやがって。
「…ったく、本当に迷惑。」
普段の僕なら、ただの無邪気な天使であろう。
ただ、僕は完璧を生きる天使じゃないよ。
ただの闇人形さ。