第4章 おうちデート
「美味しいご飯作るから、待っててね、真ちゃん」
いたずらっ子の様に笑う桜。
「…高尾に呼ばれているようで嫌なのだよ…」
「もー。わがままなんだからー…真太郎は」
桜が不意に名前を呼んだとたん、緑間は照れ隠しのように
無言でメガネを押し上げた。
そして、桜の頬に手をあてると顔を近づけ唇を奪った。
「ん…?!」
舌を押し込まれ、甘いミルクティーの味が口の中に広がる。
「つまみ食いは定番だからな…美味しいご飯、期待しているのだよ」
そう言うと、キッチンから立ち去った。
「…やっぱり、からかうと倍返しされちゃうな…」
桜はポツリと呟いた。