白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
でも顔が見たい
声が聞きたい
傷付くとしても
一瞬だとしても
もう一度
アナタの隣に行きたいの
ソワソワ待つ昼休み
得意先から帰って来たクロの
背中と時計を交互に見る
昼休みを告げる針の音に
立ち上がり
『あの…!クロ…!
チョット話…が……!』
クロの席まで一直線に向かう
「姫凪ちゃんが?
珍しいなァ
なに?仕事の事なら
今日はもう外に出ないから
飯食った後で良くね?」
まだ仕事モードのクロが
腕まくりをおろしながら
伸びをしつつ立ち上がる
『仕事…の事、じゃなくて…
個人的なこと…昼御飯…
一緒に、どう…デスカ!』
一応声は抑えてるけど
シッカリ届く様に
お腹に力を入れて
言葉を吐き出し
クロを見上げる
一瞬目を見開いて
キョトンとしたクロが
「悪ぃ、先約あんだわ」
スッと目の色を
冷静に戻して
営業スマイルを貼り付けた顔を
私に向けた