白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
笑ってるお前を
こんな近くで見てるのに
まるであんな事
無かったかのように
普通に話せてるのに
なんでだろうな
「今度は俺も特製弁当
作って来るから
また一緒に食おうぜ
今度は赤葦も一緒に、な?」
『うん、分かった』
「よし、約束…!」
ちっとも幸せじゃねぇよ。
小さな約束が
いくら増えても
一番叶えたかった約束は
もう戻らないって
ヤサグレてしまう心
お腹は膨れるのに
満たされない
肝心な一つが
いつまで経っても
「ごちそうさま」
『相変わらず食べるの早い
ちょっと待ってね?
すぐ食べちゃうから…』
空っぽのまんまだから。
記憶に居るままの姫凪が
目の前に居て
でも触れたら泣かせてしまう現実
潮時なのか?
俺が進まないとイケナイのか?
鞄の中で眠る
写真の存在が頭を過る
他の誰かを愛せたら
俺は…俺らの傷も
少しは癒えるんだろうか?
俺が他の誰かと
結ばれた時
お前は何て言うのかな…?