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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第5章 歪みに飲まれる愛


『は、はい…
鉄朗の所に居ました

何もする事ないから暇で…
掃除してたら
自分のマグカップ割っちゃったから
買いに…来ました
あの、もう良いですか?
落ち着いて選びたいので…』

警戒してるのか
緊張してるのか

早口に返して
目を背ける姫凪ちゃん

記憶にあるより
幼い態度
冷たい仕草
突き放す様な口調なのに

「良くないね
俺だってここのお客さんだからね
商品見る権利あるじゃん」

この子の隣を離れられない
離れたくないって
脳が細胞が駄々をこねる

『…じゃあ私が移動します
ごゆっくり』

ツンと背けられた顔に
しょげてくれない心が

「そんなに避けないでよ
(キスした仲だろ?)」

キミを引き寄せる

小さく落とした言葉に
大きな目が揺れて
俺を睨み付ける

こりゃ頬の一つ二つ
覚悟しなきゃと
顔の筋肉を硬くさせた
その時

『…忘れたい…のに、バカ…』

姫凪ちゃんの目の端に
大粒の涙が浮かぶ

う、そ!
生意気な目で睨んで来たのに
泣き出すなんて聞いてない!
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