• テキストサイズ

白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第4章 消せない昔、消えない今(後)


『無理じゃない…頑張るから…』

他の子はしてるのに
私だけ出来ないとか嫌だ

クロが好きなのは負けないのに
それはウソじゃないのに

なんで身体が動かないのよ…
また振られちゃう
何も出来ないって
笑われちゃう…
他の子に取られちゃう…!

必死に手をベルトに伸ばすけど
震えて上手く外せなくて
モタモタする指を

「姫凪ちゃん。
焦んなくても大丈夫だって」

クロがギュッと握って
震える指にキスを落とす

『だって…クロの彼女は皆…
チャント出来てたでしょ?
なのに…私…だけ…』

握られた手を引いて
零れそうな涙を拭おうとすると

「そんなの出来なくても
俺は姫凪ちゃん好きだから
てゆっか、焦って苦しくなって
嫌われる方が辛い…みたいな…」

引いた手はまた引き戻されて
チュッと小さな音が
涙の粒と重なる

『嫌うとか…』

「ない?
なら、分かんだろ?
俺も姫凪ちゃんを嫌うなんて
絶対ナイから
安心してビビって
安心して…
気持ちよくなったら良いよ」
/ 1242ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp