第27章 黒猫の生きる意味
俺はいち早く周りのビルを見渡す。
・・・俺を撃った犯人はすぐに分かった。ホールを見下ろす俺のいる廃ビルの別館の屋上だ・・・
嵌められた!!!
そう思った瞬間、また銃弾が飛んできた。今度は足元で左足のくるぶし部分をかすめた。
「クソ!!」
どうしてこうなったかは分からなかった。誰かが俺を嵌めたのか・・・向こうがこれを予測して俺を消そうとしたのか?分からなかったが・・・俺は・・・
《ザザ・・・黒尾!大丈夫か…?》
耳に付けていたイヤホンから声が聞こえた。情報担当の猿杭だ。銃声が聞こえたのに佐久早が死んでいないのを不審に思ったようで急いで俺に連絡してきたようだ
「悪ぃ…失敗だ…」
《お前…生きてるか!?…今どこだ…!!》
「…悪い、切るぞ!!!」
《おい…黒尾ッ…ブチッ》
俺はイヤホンから流れる音をすぐに切った。俺は背後に来る気配を感じた。背中に感じるこの気配は・・・まるで迫りくる・・・
「こんにちは~初めまして」
そいつは・・・蛇だった
細く俺を見つめるその目が怪しく俺を見ている。
ゆっくりを歩みを進めるそいつは、拳銃を手にして俺に向かってくる。
「…梟谷の1人息子の唯一のボディガードであるお前が一緒にいないのはおかしいとうちの首領が言うもんでね、探していたんだよ…見つけてよかった。」
「…テメエ!!」
「おっと、そんなに怒らないで。俺達はただ…お前に死んでもらいたいだけだからさ」
と、俺に向かって銃を構えて撃ってきた。躱そうとしても足を撃たれていたから完全には避けきれなかった。撃たれた弾は俺の腕に当たった。
「グッ…!!」
「お前のせいで3年も無駄にしたんだよ?あいつさえいなければ梟谷をつぶせたってのにお前が邪魔でさ…さっさと死ね」
俺の頭上に銃を突き付けてきた。蛇の男は俺を見下ろして目を光らせた。蛇に睨まれたカエルは・・・こんな気持ちなのか・・・