第19章 動き出す
「う~ん…」
「社長、そろそろお休みになってくださいよ」
「ん~、縁下。今は普通に呼んで」
「はい、菅原さん。それよりいいんですか?彼女のこと」
「あぁ、夜琉ちゃん?あの子は大丈夫よ。だって鉄くんが守ってるし。俺達はそれに協力するだけだよ」
「はい…でも、彼を使うのはやはり危険なのでは?」
「それも大丈夫。彼らに任せよ」
「はい…。このまま白鳥沢と青城と井闥山の残党が戦争を起こすんじゃないですか?」
「…そうね、それこそ避けては通れないわね。男なんてそんなものよ。たった1人の女を巡って男たちが戦い血を流す・・・やっぱそれが一番萌えるわよね~♡」
「菅原さん・・・」
「…空を制する白鷲と、地から這い上がる青葉の芽吹き、そしてそれらの台風の目となる獣たち・・・さて・・・」
どうなるのかしらね・・・この一戦
最上階の天窓から夜の街を照らしている月を仰ぐ社長の目には・・・白鷲と青葉と猫の争いの色が映し出されていた