第19章 動き出す
「…いや、いい」
「へぇ、いいのか?お前らより先にあの夜王がお前らの姫を殺しちまうかもしれねえぞ?」
「…うちの若をなめるな、お前らなんかの手を借りなくてもうちなら大丈夫だ」
「…ならいいがな。」
「…なんだよ」
「…お前、内部の人間のすべてが信じられると思うなよ?」
「……どういう意味だ」
「さぁな、とにかく気を付けろよ。…あぁそれと、聖臣の残党がまた何かしようとしてるぞ。敵が多いと大変だな」
そう言いながら立ち上がったそいつは、置いていたジャケットを肩にかけて部屋から出ようとした
「まてよ、残党って…」
「さぁな、井闥山の内部事情までは知らねえが…まぁせいぜい気を付けろよとだけ言っとくぜ。じゃあな」
と、座敷を出て行った
残された白布は、そいつの背中を見送ってケータイを見た
若からの連絡だった
〈かのじょのことについてもういちどくみいんではなしをする。ぶきをもらいそうそうにもどれ〉
・・・予測変換機能があることを早く教えなくては
ホントに困った総帥だ・・・
と思いながらも、彼はそれでも彼に忠誠を誓った身であるからと急いで座敷を出た
「おい、白頭。勘定して行け」
「あぁ…いくらだ。」
「武器代とさっきの黒髪の兄ちゃんのと合わせて81,900円な」
「はっ!?…あの野郎…いつか殺すッ…」