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私達は偽者シンデレラ

第18章 再会


私が自習コーナーに戻ると、日代君はまだぐっすり寝ていた。


寝顔がいつもよりも彼の顔をあどけない印象を持たせる。


何かかわいい。


私は思わず微笑んでしまった。



「日代君、10分たったよ」



軽く揺すると彼は目を覚ました



「…。あ、ありがとな」


日代君が目を擦りながら起き上がる。



「頑張っている日代君に差し入れ。」



私は日代君にコーヒーを手渡した



「俺、お前にコーヒー好きって言ってねぇよな。」


「うん、前にカラオケで飲んでたから好きなのかなって。あと眠気覚ましになるし」



「ありがとう。」



日代君が少し微笑みながら、缶のふたをあけた



なんだろう、日代君の笑顔って破壊力あるな。



私は頬が熱をもつのを感じていた。



それに、こういう感覚、前にもなったことがあった気がする。


なんだったっけ。


日代君が目を伏せながらコーヒーを飲むのを見つめ、私は記憶をたどる。


と、そのとき。




「心春。」




背後から自分の名前を呼ばれた。



この声は…。



でも、そんなはずない。


幻聴?でもそれならこんなに明確に聞こえるのかな。


私が振り返ると、予想通り、懐かしい人が立っていた




「りょう、た…。」




私に声をかけた彼がニッコリ笑う。


彼と再会するということは、ただならぬことが起きるかもしれない。


なぜなら












別れてから3年も連絡をとっていなかった、元彼なのだから。






「何で亮太がここにいるの。」



「俺も勉強しに来ただけだよ。なにしろ俺は受験生だから。」


亮太がなぜ今になって声をかけてきたのか。



わけがわからない。


ぐるぐるとさまざまな思いが駆けめぐる脳内を、誰か静めてほしい。



私は思わず隣に座っていた、彼の腕を掴んでしまった





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