第7章 弟の安否
一日の授業が一通り終わり、部活に入っている人たちは部室へと、そうでない人たちは友達と喋ったり、さっさと帰っている
私もいつもなら藍那や由梨花と、話しこんだり、どこかへ寄り道したりするが、今日は弟の退院するための手伝いをするからしょうがない
みんなが、放課後の楽しい時間を謳歌するのをみながら私は一人で靴箱に向かう
だいたい明人だって、捻挫も軽くて元気に歩きまわれるのに、重い荷物を運びたくないから、私を使おうというこんたんなんだ
あと、昨日病室を出るときに、姉ちゃんをここまで送ってくれた人に礼を言いたいから誰なのか教えて欲しい。と、半分野次馬根性丸出しの発言をしていたから、その事が目的かもしれない
私が、誰かかっこいい俳優に熱をあげていた時もからかってきたりしていたし、1度だけ出来た彼氏を家族に紹介した時も、いじってきた
つまりは、悪意のないいじりが大好きな人だ
私、日代君のこと少ししか知らないんだけどなぁ。
自分の知らない所でいじられるためのネタになる日代君も、気の毒だ
でも、弟にははっきり言えることがある。
彼は噂のような恐い人物ではなく、優しくて世話焼きな人だ、ということだ
今思い返してみると、私も第一印象から随分と変わっているな、と校門に向かいながら少し笑ってしまった