第6章 不穏な影
「ついたぞ。」
「ありがとう。ほんとに助かった。」
私は心からの感謝の気持ちをこめて言った
「別に大したことじゃねぇ。ただ、忘れもんには気をつけろよ」
日代君に言われて、カバンを忘れて行ってしまったことを思いだし、恥ずかしくなる
「今回はちょっと焦ってたから…」
「ん。それは見ててわかった。けどな、明日ダチにはちゃんと説明しておけ。お前のこと心配していた」
「うん、わかった」
「んじゃ俺は帰る。」
日代君はバイクを噴かし始める
「お前も早く行け」
「うん」
私は日代君に手を振って走り始めた
まだ、靴擦れのところが少し痛いけれど、我慢する
明人、怪我が大丈夫なのかな
私は明人の無事を願った
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パシャ
「ふっ、いい写真手にいれた」
白い髪の男が呟く
「これは使えそうだな」
スマホの画面を覗きこんだ金髪の男もニヤリと笑う
「さて、日代はどう動くか…」
その写真にはバイクにまたがる日代と、話しかける少女のが写っていた