第7章 四日目
先ほどからずっと、トランクスをまるで憧れのヒーローを見るような羨望の眼差しで見上げていたティム君も、遊べるとわかって更に顔を真っ赤にした。
「もしお邪魔でなかったら……」
お母さんたちはお互いの夫と目を合わせつつ、嬉しそうにブルマの誘いを受けたのだった。
子供達も楽しめる場所ということで、あのリフレッシュルームに総勢10人が集まった。
予想通り子供達3人は大はしゃぎ。
リィナちゃんはあれからずっとトランクスから手を離さずにいる。
二組の夫婦は椅子に座りブルマと楽しそうに話をしていた。
そしてユメはひとり、未だに展開についていけていない頭を整理していた。
えっと……リィナちゃんと、昨日トランクスが助けたティム君がお友達で、ティム君がそれをリィナちゃんに話して、その容姿がトランクスに似ていて、リィナちゃんがそれをお母さんに話して、お母さんがティム君のお母さんに話して……???
やっぱり頭がこんがらがるような話だ。
でも……。
ユメは嬉しそうなトランクスの横顔を見て、“ま、いっか” と笑みをこぼした。
「ねえちゃんも行こう! これから森の中探検しに行くんだ!」
ティム君が森の奥を指差しながら、突っ立っていたユメの腕を引っ張った。
と、その時あのロボットが森の奥から出てきて皆の注目を浴びることとなった。
「なんだこいつ!」
『ご注文をどうぞ』
「うわっしゃべった!!」
驚くティム君にトランクスが言う。
「そいつの名前は“大五郎”って言うんだ」
「うわ、ダッセー! 変な名前!!」
ロボットの頭をバシバシ叩きながら大笑いするティム君。
苦笑するしかないユメは、クスクス笑うトランクスと目が合い顔を赤らめた。
と、そんなときだった。
「……実は、今日ここに伺ったのには、もうひとつ理由があるんです」
それまであまり喋っていなかったティム君のお父さんが、突然言い難そうに口を開いた。
「私、実はこの都の役所に勤めているのですが……その、トランクスさんのことで……」
ユメはびっくりしてトランクスを見る。
トランクスはすでに真剣な眼差しで、ティム君のお父さんを見つめていた。