好きになったっていいじゃない【アイナナ】R18*完結*
第7章 ご褒美?/天side
理由はわからない。
でもボクはその光景を見るのがとてもイヤだったんだ。
六弥ナギが女性に対して過度なスキンシップをするのは知っている。
何度も目の前で見ていたから。
今までのボクはそれを見てもなんとも思わなかった。
けど、が六弥ナギに触られているのを見た瞬間__
ボクの心の中に湧き上がった苛立ち。
がボク以外の男に触れられている事実が許せなかった。
『Hum……ワタシと九条氏はライバルですね?』
六弥ナギの一言でボクは気付いたんだ。
そうか、そうだったんだ。
ボクがこんなにも苛々とするのは___
ボクは馬鹿じゃない。
自分の中に芽生えた感情の意味はわかる。
TRIGGERの九条天の恋人はファン。
彼はファン以外の子を好きにはならない。
それは彼が決めたルール。
でも、ボクは__
ボク自身は違う。
九条天はに惹かれている。
初めて会った時は、素直すぎる反応が可愛いくて構いたくなってしまうだけの存在だと思っていた。
でも違うみたいだ。
今こうして手を握っているだけで胸がドキドキとする。
が指先に力を込めてくれただけで嬉しい。
ねぇ、。
キミはTRIGGERの九条天が好きなんだろうけど、ボク自身も好きにさせてあげるよ。
「……」
「っ……は、はい?!」
俯いているキミの顔を覗き込むと少しだけ頬を染めているね。
可愛いよ、とっても……
掠めるようにおでこにくちびるを寄せた。
「?!」
「レコーディング……ボクを満足させてくれたからご褒美だよ」