好きになったっていいじゃない【アイナナ】R18*完結*
第5章 重なる声/天side
ボクをまっすぐに見つめてくる。
その瞳には迷いがないように見える。
ねぇ、ボクの言いたい事がわかったの?
「歌えるの?」
「歌えます……!」
「そう……じゃあやろうか」
「はい」
初めての歌声を聴いた時、恥ずかしいけど心を鷲掴みされた気持ちになった。
より歌の上手い人は沢山いる。
でも、彼女の歌声には技術とかじゃない何かがあった。
それは歌への想い__
それがボクの心に響いたんだ。
ボクが初めて作った歌、この歌を彼女が歌ったらどうなるんだろう?
ボクと声を重ねたらどんな歌に仕上がるんだろう?
そう考えると胸がワクワクしたんだ。
だからボクはキミと一緒に歌いたいって思ったんだよ。
ボクの期待を裏切らないで___
「ボクを満足させてくれたら」
「え?」
「ご褒美をあげる」