好きになったっていいじゃない【アイナナ】R18*完結*
第3章 オファー
遅い!!
里絵ったら帰ってくるのが遅すぎる!!
私はイライラしながら指でテーブルを叩いていた。
時計を見ると6時を少しまわったところ。
里絵が無断で朝帰りするなんて初めての事。
一体どこで何をしているんだよ。
スマホをチェックしてもラビチャに連絡は入っていない。
それどころか私の送ったメッセさえ既読されていないし。
まったくもう!
こっちは寝ないで帰りを待っているのに。
眠気覚ましのコーヒーのせいで胃は痛いし、お肌は荒れるし
(今日がオフで良かったよ)
カチャリと玄関の鍵を回す音がして私は急いで玄関前に立った。
腕ぐみをして朝帰りの里絵を怒るべく、顔を般若のようにして待ち構えた。
「……ただいま」
「里絵!!いま何時だと思ってるんだよ!!
連絡も無しに朝帰りするとは良い度胸してるよな?!」
「悪かったな。おまえの姉貴を独り占めしちまって」
「はい?!」
なんで私の目の前にTRIGGERの八乙女楽が立っているんだ?
しかも「悪かったな」って……
え?!
な?!
どういう事なの?!
「もう!いつまでくっついて来るのよ!早く帰ってよ」
「一応、妹にも挨拶した方がいいだろ?」
「挨拶なんかしなくていいから!!」
「義理の妹になるんだぜ?」
「っ……
(バカ!!まだ早いわよっ。恥ずかしいじゃない)」
……なんなん?
この会話。
え?
つか……義理の妹……?
「、これからよろしくな」
状況がよくわかっていない私の頭をポンポンと撫でる楽さんをただ瞬きをしながら見つめるしか出来なかった。