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Volleyball Boys 《ハイキュー!!》

第37章  なでたいお年頃《影山飛雄》




【蒼井 side】


ある日のこと。烏野高校男子バレー部のマネージャーである私は、いつものように業務に励んでいた。

『でね、その時に先生が…』

「そうなの!?なんか、ギャップが…」

練習する部員たちの傍ら、私は同じクラスの仁花ちゃんとお話し中。不意に視線を感じ、そろりと首を回すと、ガン飛ばしてくる影山君と目が合った。それに気付いたのか、影山君はビクッと肩を震わせる。

『……か、影山君、どうしたの?』

「別に、なんもねぇよ」

恐る恐る訊ねてみると、影山君は顔をしかめ、ばつが悪いようにフイと顔を逸らした。なんでもない、と言っていたので特に気にすることなく仕事に戻る。

…なのに、何度も何度も視線を感じ、振り向けばそれは影山君で、その度に目を逸らす。あの、さすがに居心地が悪いです。

どうしよう、っていうかどうするべき?

思考回路がループに嵌まりそうになった時、月島君の鋭い声が響いた。

「気になってるんだけどさぁ…王様、ナニ蒼井さんのことガン見してんの?」

『うぇっ!?』

背後からの声にバッと振り向くと、ニヤニヤと笑う月島君と、露骨に嫌な顔をする影山君の姿がある。

「ばっ、別に見てなかんか…」

「いやいや俺もさっきから気になっていたからね、影山。そこまで見るからには蒼井さんに言いたいことあるの?」

「別に…なんもないっつーの」

明らかに何かを隠す影山君に、周りもなんだなんだと集まる。どうやら、事が大きくなってきてしまったようだ。

「影山、何か話したい時は真っ向コミュニケーションだって教えただろ。蒼井さんに言いたいことでもあるのか?」

そう訊く菅原さんに、影山君は頷く。

『影山君、話って?』

思いきって歩み寄り、訊いてみる。

「その、頼みがある…」

『なぁに?』

そう訊ね返すと、ボソボソと俯きながら影山君が言った。声が小さくて聞き取れなくて、ごめんもう一回良い?と訊く。

「あ…」

『あ?』

「あ……」

『あ……?』

「あ、頭撫で回させてくださいコラーッ!」


   
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