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恋ぞつもりて(裏)~声優さんと一緒~

第7章 sweets


お店を出て、少し歩く。

外は、日が少し落ちて所々街頭がつき始めていた。

僕より背が低いカノジョは、歩幅も狭いせいかいつの間にか僕の一歩後ろを歩く。


それでも、追い付こうといつも軽く小走り。

気付いたら少しゆっくり歩くよう心掛けてるんだけど…
気付くといつもこうなってしまう。


あと少し歩けば、駅に着いちゃう。

こうして二人で会える時間は少ないから、もっともっと話をしなきゃと思うのに…

いつもこう…。

同じ事の繰り返し。

沈黙の時間に耐えきれなくなったカノジョが話しかける。


「あのっ。岡本さん。」

「うん?」

「えっと。ご馳走さまでした。」

「すっごく美味しかったです。」

「教えて頂いた先輩さんにもお礼をお伝え下さい。」


「うん。気に入って貰えて良かったよ。」

「先輩にも伝えとくね。」

「こっちこそ、来てくれてありがとう。」


少し後ろを歩くカノジョに聞こえるように話しかける。




息を吸い込み、気合いをいれる。


「ね??」

クルッと振り返ると、夕陽がカノジョの頬を照らす。

「あのさ…」

スッと右手を差し出す。

「駅まで手……繋がない?」

カノジョは、嬉しそうに顔をほころばせて僕の右手をとる。


「岡本さん…ありがとうございます。」

そう言って、僕の隣を歩くカノジョ。

恥ずかしそうにしながらも、ニコニコ笑うカノジョを見て僕も頬が緩んだ。


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