第41章 night scape
「さっきも聞いたけど、調子…大丈夫?」
「うん。大丈夫。ありがとう。」
「こうして話すの何年ぶりかな。」
「収録では、話すけど。なかなか二人って訳には行かないもんな。」
「うん…」
あやめの座る方へ体を向ける。
暗くて顔はよく見えないけど…
だからこそ、今日はちゃんと話せる気がした。
一度、夜空を眺め大きく息を吸い込む。
「あやめ…」
「あの時は…あやめの気持ちもちゃんと聞かずに結論を押し付けてごめん。」
「あやめの為とか言っておきながら、逃げていたんだと思う。」
「キミの真っ直ぐな想いが怖かった…」
「俺はそんなに想われる程の人間なのか不安だった。」
「いつもあやめは、俺に真剣に向き合ってくれてたのにな…」
「本当にごめん。」
「この前、自由と話をしたんだ。」
「ずっと苦しませて…ごめん。」
「傷つけてごめん。」
「いくら謝っても足りない。」
「辛い思いをさせて、ごめん。」
頭を下げても、どんなに謝ってもあやめを傷付けた事実は変わらない。