第34章 moment
ベッドに下ろし、覆いかぶさる。
「お風呂入ったんだね。」
そう言って、頬を撫でる。
目は赤く、瞼も腫れている。
「あやめちゃん。」
「俺は…そんなに頼りない?」
首を横に振りながら、俺を見つめる。
見つめる瞳は潤み始めている。
「あやめちゃんが苦しんでるのは知ってる。」
「ここにモヤモヤした何かがいるのも知ってる。」
胸元を指差す。
「でもね。無理に聞き出そうとも思わない。」
「言ってくれたら嬉しいけど。」
「これだけは、ずっと変わらない。」
「俺は、今のあやめちゃんが好きなんだから。」
また強がっちゃったよ。
あやめちゃんの前では、格好つけちゃうんだよな…。