第33章 defend

ピーンポーン

パタパタとスリッパを鳴らしながら玄関の扉に手を掛ける。

少し開けるとグンッと急に引かれて、その反動で外に出てしまう。

眉を寄せて、少し辛そうな表情に胸が痛くなる。

それを察知されたのか痛いくらい強く抱きしめられた。

「ただいま。あやめちゃん。」

頭を撫でられ、背中を擦る。

そして、腰を掴まれ体が宙に浮く。

肩に担がれ室内へ。

「自由っ」

行き先は分かってる。

いつも私を愛してくれる場所。