• テキストサイズ

恋ぞつもりて(裏)~声優さんと一緒~

第26章 key


「ごめん。あやめちゃん。」


「鍵…ここにあるよ。」

スケジュール帳を指差し、隙間から見える銀の金具に触れて取り出す。

「実は、少し前に見つけてた。」

「でも…少しでも長く一緒にいたくて…黙ってた。」

「本当に卑怯だよね…」

「タクシー代出すから…あっちで拾おうか?」

眉を寄せて笑う。

差し出された右手を見つめて、私は大きく息を吸い込む。

そして、ゆっくり息を吐き出す。


「違います。鍵を外したのは私の意思です。」

良平さんを卑怯なんて思わない。

卑怯なのは、私…。


踵からジンジンと痛みを感じる。

慣れないピンヒールは靴擦れを起こしてるだろう。

どんなに痛みを伴っても構わない。

これを逃すわけには行かないの。

嫌われたって…。

良くないけど…

ここまで来たら、後戻りなんてしない。




/ 350ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp