第21章 sigil(裏)
「みゆぅ…ッ」
抽出を止め、あやめちゃんの耳にキスをする。
「ん?」
名を呼ばれ、顔を覗き込むと熱が籠もる視線とぶつかる。
本当に可愛い…
「今更こんな言うの変だけど…」
「あやめは、どうしてこんなに可愛いんだろう。」
「え…?」
「全部食べちゃいたい。」
「誰にも渡したくない。」
俺って、独占欲強かったんだな。
ガブッと首筋に噛みつく。
「っ…!」
「好きだよ。」
「!」
目を見開くあやめちゃんの顔を見て、俺は自分の発した言葉に驚く。
言わないようにしてたのに…
困ったなぁ。
「あ…ごめんごめん。本音が出ちゃった。」
「自由…」
そんな目で見ないでよ。
「好きになって欲しいとは思ってないよ」
「……」
「なんて嘘。」
「バレちゃったし…これからは、口に出して行くからね?」
「覚悟してて。」
「自由…」
困ったような顔。
困らせても構わない。
キミの心に俺がいる場所があるのならば。
「好きだよ。あやめ…。」
もう一度、耳にキスをする。
「さて。甘い時間の続きをしようか。」