第4章 GAME☆レン
撮影は驚くほど順調に進んだ。
…なにも無いのが、逆に怖い気も。
この役をレン先輩が演じると聞いた時は、不安しかなかったけど、レン先輩仕事に対しては真面目だし、スタッフへの心配りも忘れない。
こういうところ見習わなきゃね!
スタッフ「撮影始めるよー!」
舞「はい!」
スタッフさんもほかの役者さんもみんな優しくて、私は気に入っている。
ただレン先輩が女性スタッフと仲良くしてるのだけが、不満だった。
なんだか胸がキュとなる。
(あんな男なんだよ。神宮寺レンは!)
(そんなこと無いよ!)
(じゃあ、なんであんなこと言っといて俺にかまわないんだ?)
(…う、それは!!)
レン「……ビ?…バンビ!!」
舞「ふぇぇ?レン先輩?」
レン「大丈夫かい?撮影始まるよ。……無防備な君も可愛いけど。」
耳元でささやかれ、鼓動がはねる。
舞「ええ。もう役に入れてますから。」
バレないように、無表情で言う。
こうやってレン先輩は私も気遣ってくれる。
…別に話しかけられて、うれしいと思ってないから!
(そしてツンデレでもないから!!)