第6章 ブラコンですが、何か?
❦翔Side❦
子供の頃、俺は
小さくて
華奢で
女みたいで
よくからかわれていた
『やめろぉーーー!』
『なんだお前!』
『こいつ翔の弟だぜ!』
『ダッセーな! 弟にかばわれてやんの!』
『だまれっ! しょーくんをいじめるやつはゆるさない!
ぜったいゆるさない!』
小さな身体で両手をいっぱいに広げて
俺の前に立ちはだかって
保育園児の雅紀が小学生に歯向かうのは怖かっただろうと思う
それでも
目に涙をいっぱいためて
歯を食いしばって
『どけよ!』
一番の悪ガキが雅紀を勢い良く突き飛ばした
『わぁっ…!』
『雅紀!』
地面に倒れた雅紀は掌を擦りむいて
ほんの少し血が出ていて
それを見た途端
俺の中で何かが、プチンと切れる音がした
全
員
ぶ
っ
殺
す