第3章 飴玉本舗✡摩訶不思議堂

「こんな馬鹿げた話、雅紀さんは信じてくれるの…？」

「信じるよ
だって、俺も伊勢貝さんから飴玉を買って
潤くんに会いに行ってたんだから」


そっと髪を撫でると
『ホントに？』って聞くから
『ホントだよ』って苦笑いした


「雅紀さんはなんて願ったの…？」

「一番最初は“優しい愛に包まれたい”って願った
そしたら、気付いたらあの店に居たんだ
二度目は“潤くんに会いたい”って
三度目は…」

「三度目…？」

「うん、一時間くらい前
仕事終わってすぐ、飴を買いに行って…
願ったんだけど、潤くんの居る世界には行けなくて…
でもそれは願いが叶わなかったわけじゃなくて
潤くんが俺の所に来たい、って願ってくれたからだったんだね」

「三度目は何を願ったの…？」

「“潤くんとずっと一緒に居たい”って、そう願った」

「雅紀さん…」


効果は一日限り
だけど俺が“ずっと”って願ったから


「じゃあ、ずっと一緒に居られるの…？」

「居られるよ
時空を越えて、この先もずーっと」

「雅紀さん…！」


俺の胸にしがみつく潤くんを
優しく抱きしめて




「「愛してる…」」




二人の声が重なった




『相葉様、松本様
どうか末永くお幸せに…』




伊勢貝さんの声が僅かに聞こえた…気がした















『あなた様にも叶えたい願いがお有りですか？
それでしたら、こちらをどうぞ

お一つ3万円で御座いますが
初回に限り、1万円で如何でしょう？

ええ、どんな願いでも叶えることが出来ますよ
但し、効果は一日限りで御座います


申し遅れました
私、この店のオーナーをしております
伊勢貝　廻と申します

ようこそ、飴玉本舗✡摩訶不思議堂へ』






❦『飴玉本舗✡摩訶不思議堂』 〜 完 〜 ❦