• テキストサイズ

あいつはねこまのわんこ系少年【HQ】

第17章 夏合宿、最終日。



芝山がまとめてくれた表を確認していると隣のコートから試合終了のホイッスルが鳴る。

「おっ。生川と烏野終わった。」

やっくんの声に得点板を見れば、点差は縮まってはいるが、今回も烏野の負け。部長の澤村くんの掛け声で烏野のメンバーはペナルティのフライングに向かう。その姿はどこかで武者修行でもしてきたようなそんな雰囲気を醸し出していた。

「ペナルティを熟す姿に異様な貫禄…」

「前回の遠征も含めて他の何倍もペナルティやってるもんね…俺、無理…」

クロもけんまも遠い目をしている。

『みんなお疲れ様だよねー…』

フライングを行う烏野メンバーを見ているとやっくんが急に声を上げる。

「うお!烏野のチビちゃんがめっちゃフライング上手くなってる!」

確かに…最初は顎こすりつけて絆創膏貼っていたしょーよーが顎をこすることなく床を滑っていく。成長したなぁなんて思っていると、それを聞いていたリエーフが問題発言。

「”チビちゃん”って!夜久さんと日向、あんま身長変わらないじゃないですかぁ!」

周りのみんなはこれはまずいとリエーフの周辺から少しだけ離れる。周辺の避難完了と共にやっくんは怒りの顔でリエーフのお尻に1発回し蹴りを食らわせた。パァン!と良い音が響き、リエーフは前にのめる。
それを見たクロと山本が小さな声でぽつりと漏らした。

「今のは擁護できない。」

「夜久さんに身長の話はタブーだと言ったのに。バカめ…」

『リエーフ…私の時で懲りてないんだね…で、次の試合ってどこだっけ?』

そう、私が聞けばクロが答えてくれる。

「次は生川。俺達もペナルティ行かなきゃな。そろそろペナルティ行くぞー!フライング1周!」

「「「ういーっす!」」」

そういうとみんなはクロを先頭にフライングを始めた。さすが守備は完璧な音駒だけあってフライングはうまい。

ただ1人を除き。
リエーフ…初期のしょーよーほどではないけど動きがまだまだぎこちない。スパイクが上手く打てるようになっても基礎や守備はまだまだ。
リエーフがエースになる道はまだまだ遠い…と思ってしまう。
/ 617ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp