第12章 獅子は咆哮する
蛍が居なくなると私はリエーフに連れられみんなが寝ている部屋から少し離れた空き教室に来ていた。リエーフは部屋の戸を閉めると私にどんどん近づいて来る。
『ちょっ…リエーフ?』
「脱いでください。」
言われた意味がわからず首を傾げるとリエーフは私の肩を掴む。
「だから脱いでください!」
『嫌よ!恥ずかしい!』
「じゃあなんで月島があんなこと言ってるんですか⁉︎」
『あれは…その…』
さすがに襲われたなんて言えないし…
リエーフはじーっと私の顔を見る。
『………ごめんっ!』
私は勢いよくしゃがみこむと足のバネの力を借りてそのままリエーフを避けて走り出す。が、すぐに後ろから抱きしめられ、私は逃亡することはできなかった。
「逃げないでっ…」
そうだった…リエーフ運動神経良かったんだっけ…
「本当にあるのか見るだけ…だから…キスマーク」
そういうと私が逃げ出すのを防ぐために近くにあった机に体を押し付ける。
「じっとしてて…?」
耳元に唇を寄せたリエーフは低く掠れた声で呟く。
背筋がぞくぞくする。
心臓の拍動が強くなる。
顔に熱が集まる
恥ずかしい
恥ずかしくて
リエーフの顔が見れない。