第4章 雑誌。
部活も終わりに近づいたころ、唐突に体育館のドアが開く。
『こんにちはー!差し入れ買ってきたよー!』
そう叫ぶのは僕の恋人、夏乃さん。
申し訳ないけど今日は来てほしくなかった…
ほら、みんなが話を聞くために夏乃さんに近づいていく。
僕は今日何度目かわからないため息を吐いた。
ーーーーーー
「今日、なんで来たの?」
帰り道、僕が呟くと隣を歩く夏乃さんがこっちを見た。
けど目をそらす。
『笑わない?』
「時と場合によりますケド。」
そういうと夏乃さんはそっぽを向く。
『あの…ね?今日、この前の写真が載った雑誌が送られてきて…内容確認ってことで中、見たんだけど…』
「ケド?」
『それ見てたら…逢いたくなったっていうか…なんていうか…』
顔を真っ赤にしながらつぶやく夏乃さんをもっと見ていたくなり僕は少しだけ意地悪する。
「だれに逢いたくなったの?夏乃サン?」
顔を見つめながら言うとさらに顔を赤くさせる。
トマトもびっくりするくらい真っ赤だ。
『意地悪…
蛍くん……
蛍くんに会いたかったの…』
顔を手で覆い、僕の方を見て呟く。
必然的に上目遣いになるから破壊力は抜群。
「じゃあ、家、言っていいデスカ?
もっと僕のこと見ていいデスよ?」
そう言い、僕は微笑んだ。