第2章 谷山紀章さんとの恋(裏)
谷山さん視点
りんちゃんの家を出た。
"まって"と言う声が聞こえたけど、そんなことを考える余裕はなかった。
「くそ…」
ムカつく…
りんちゃんに、ではなく、俺に。
もしかしたら、話せば何か変わっていたかもしれない。
だけど、俺は勢いで"別れよっか"と言ってしまった。
自分がムカつく。
自分の家に着き、服を着替える。
携帯を取りだし登録されている電話番号を見る。
"りんちゃん"
消去ボタンを押そうとした。
…押せない。
「自分から別れようなんて言っておいて情けねぇ…」