第18章 猫王子と音楽
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あれから3週間が過ぎた。足は歩くだけでは痛みを感じないくらいに回復していた。が、まだバレーは出来ない。今我慢しないで無理をすれば、それこそもっとバレーが出来なくなると皆に言われた。ていうか、脅された。
『ひーーーーーーまーーーーーーーー!!!!!』
奈央「うっさいなぁ。暇なら勉強でもせぇや」
『勉強してるしー。今回のテスト余裕だしー。奈央、相手しろー』
奈央「ウチはマネージャーの仕事があるんや。堪忍な」
『うぇっ!?ちょ、待って奈央ちゃん!!!』
…行っちゃった。振り返りもせずに行っちゃった…薄情すぎる!赤司もいないし、仕方ないから音楽聴こう。1人寂しくな!!!
暫く聴いていたら、なんとなく歌いたい気分になった。そう言えばカラオケなんて当分行ってないなとか思ったり。
誰にも何も伝える事無く、音楽を聞きながらゆっくりと屋上に向かった。
屋上につくと誰もいなかった。昼休みとは言えども、季節は12月に入ったばかり。寒いこの空の下に好んで飛び出していくバカは、あたしくらいだろう。
あたしはIpodの画面を操作し、お気に入りの歌を流し、ゆっくりと口ずさんだ。