第17章 猫王子と訪問者
「青峰君、ちゃんの事凄く気に入ってるんだと思うの。それこそ好きになってしまうくらい」
「…大輝を見ていれば分かるよ」
「そうだね。青峰君、IHの日にちゃんと初めて会ってから、私にちゃんの話ばかりするの。学園祭行ってからはもっと凄かったのよ。だから、私もちゃんがどんな素敵な女の子か知りたかったの」
「…桃井の目から見て、どうだったんだ?は」
「…すごく素敵な女の子だと思ったよ。強くて優しくて、真っ直ぐで。ちゃんの笑顔を見るだけで、元気もらえそうだね」
「…そうか」
「さっきはああ言ったけど、青峰君は赤司君の事応援してるの。ちゃんの隣にいるのは俺じゃなくて赤司君だって言ってた。私の目から見ても、私の勘でもそう思う。だから、頑張ってね」
桃井が歩き出し、少ししてから僕もそれを追いかける。あの大輝が、ね。
客「あのカップルかわええなぁ!」
客「ほんま仲ええな!私もあんな背ぇの高いイケメン彼氏欲しいわ!彼女もめっちゃ可愛いもんなぁ!」
客「ちょ、こっちのカップルはえらい綺麗やで!?」
客「あかん、不公平や!」
最後2つの声は僕らに向けて言われたものだった。ではなく、僕と桃井に。それはいい。しかし
「せ、背の高いイケメン彼氏ってまさか…」
「…多分、大輝だ」
『カップルじゃありませんよー!え?可愛い?やだもー、お世辞あざっす!!!』
「ばーか、何照れてんだよ。お前が可愛いなら世の中の大半は可愛いっつーの」
『そんな事いったら青峰がカッコいいなら世の中の4分の3はカッコいいからな!』
「それもう俺はほとんど底辺じゃねぇか!」
客「あはははっ!おもろいカップルやなぁ!」
遠くの方からと大輝の声が聞こえた。大輝がを友人として見ようとしているのは分かっている。だけど、足を動かさずにはいられなかった。
「あ、ちょっと赤司君!?…くすっ。もう、青春だなぁ…」