第16章 期末の時間 2限目
ぶしつけで、勝手なように見えるかもしれない。
机状の空論かもしれない。
それでも、私は純粋にこう思う。
やっぱり、笑ってて欲しいと。
泣き顔でも、苦しむ顔でもない。
それまでの時があった上で
幸せを感じて、心の底から笑っていられる笑顔を見たいと…
そのためにも、互いを大切に想って欲しい。
今という時の、一つ一つに
何かしら、意味があるのだということを念頭に。
誰が、何を譲りたくないかは人それぞれ。
ありたいように、ありのままに生きて欲しい。
それでも、一つだけ心にとめておいて欲しい。
出会った誰かが、出会うはずだった誰かが
一人でも欠ければ、自分は自分ではなかったこと。
互いに影響し合って
今という時が、今の自分が存在していること。
だからこそ
人が、人を大事にすることを…
それが、どれほど大切なことなのかだけは
どれだけの時が過ぎたとしても、忘れないで欲しい。
そのために私は、
人が人を護り
これからを担う、子たちを護るであろう職業
自衛隊や防衛省、警察などの人たちに
門外不出の
一族に伝わる風月流格闘術を教え、協力したいと思った』
最後のページには、ペイントで作ったらしい
詩付きの背景が、プリントされていた(ホームページ参照)。
手書きでもよかったけれど
やっぱりそっちの方がいいかなって思ったらしい。
僕も、それを気に入っていて
その中の言葉も、らしいなって思ってしまったわけで…
一冊買って、そっととっておくことに決めた。
ケイトちゃんにサインを一つ頼んで
今も大事にしまってある、僕の大事な宝物。
大人になって、また読み返せば
その意味も、また違ってとらえられる日も来るのかな?
そっと、机の上に立てかけた本を見て
僕は、ふと思った。
(6月12日PM4:24~PM8:50、328~340(13ページ)更新)
12日AM、13日AM更新分とします。