第11章 優しさ
しばらくして、リエーフくんは菅原先輩を連れて来た。
「俺に何か用なの?」
なんの説明もなしに引っ張って来たのか。
「4対4で私達1年をいじめたいみたいなんで、審判お願いします」
「いじめ…!」
「ちょ、言い方悪いぞ。彼女ちゃん。
あんまり捻くれてると嫌われるぞ?」
「もう否定するのも面倒くさい…」
「月島、誰と誰で戦うの?」
「僕ら烏野の1年対向こうですよ」
「ありゃ」
「すみません。
うちの木兎さん、言い出したら聞かないので…」
「分かった、やるよ」
「すみません、菅原先輩。
ご迷惑をおかけします」
「気にしなくて良いべ」
菅原先輩はやっぱり優しいな。
上着を畳んで隅に置き、最初からスイッチを入れる。