第55章 ハプニング
1つの部屋に11人もの男が集まると、部屋が圧迫されたように感じた。
決して狭くはない、この部屋が。
「つ、月島くん…。
波瑠ちゃん…大丈夫…?」
心配そうに尋ねる。
「大丈夫でしょ。
だってあの波瑠だよ?
ちょっとのことじゃへばったりしないでしょ。
心配するだけムダだね」
「でも…こんなに苦しそうで…」
「明日になったらケロッとしてるでしょ」
こんなに沢山人が居る前で、狼狽える訳にはいかない。
「そうだね。
ここは波瑠さんを信じるしかないよ」
ポン、と赤葦さんが背中を叩いた。
…お見通しって訳ですか。
この人の観察力…波瑠みたい。
こっちの都合悪いことまで、全部分かっちゃって。
…腹が立つ。
「まぁ落ち着いてよ、月島。
俺は烏野の人や監督達に連絡して来るよ」
「あ、お願いします」