第51章 アップルパイ
「なー、影山。
雲泥ってなんだ?」
「あ?知るかよ、俺に聞くな」
「なんだよ、お前も分かんないんじゃん」
「!分かるわ、ボケ。
てめェと一緒にすんな」
「じゃあなんなんだよ」
「それはその…あれだ」
言葉を濁す。
「分かりやすく言うと、差が大きいってことだよ。
雲は高く、泥は地面にあるから低い」
「おぉ…縁下さん物知り!!」
「博識って言うんだよ、そういうのは」
「なんだよ、影山。
どうせ意味は同じなんだからどっちだって良いだろ」
「響きが違ェんだよ、響きが。
博識って言った方がカッコイイだろ」
「どっちだって同じじゃん。
クイックと速攻みたいな!」
「それはそれ、これはこれだ」
「ていうかそれ、博識でも物知りでもなくて常識だから。
小学生でも知ってる諺だと思うんだけど。
君らどんだけ馬鹿なの?」
「〜〜!!」
「んだと月島!」
やっぱり勉強は壊滅的だな。