第7章 練習試合
土曜日の朝。
私と月島くんは他校のバレー部を迎える為に校門の前に立っていた。
「柏木さん、音駒と梟谷初めてだよね」
「うん」
「面倒くさいから、あそこの主将」
「月島くんでも口で躱せないんだ」
「それすらも面倒だから。
ていうか、いい加減その月島くんって止めない?
なんか気持ち悪い」
「そっちが柏木さんって言うのを止めるなら考えるけど」
「…バス来たよ」
はぐらかしたな。
駐車場に止まった2台のバスからゾロゾロとジャージの男の子が降りて来る。
「「「おはざーす」」」
「「おはようございます」」
「おやおや」
「おやおやおや?」
「「久しぶりー、ツッキー」」
先頭を歩く2人の選手に囲まれる月島くん。
これが面倒って言ってた主将?
赤いジャージが音駒で、白い方が梟谷か。
音駒のマネージャーは居ないが、梟谷は数人居る。
「月島くん、案内宜しく。
なんか面倒そうだから。
私はマネのところ行って来る」
返事を聞く前に動き出す。