第43章 実力
「夜久さん、波瑠さんより小っさいのに波瑠さんのことしっかり守れるんですか?」
「…リエーフ…。
お前明日の自主練…レシーブ練3倍な」
「えぇっ⁉︎
そんなぁ、ないですよ‼︎」
「煩ぇっ」
「今のは自業自得だ、バーカ」
「猛虎さんまで…」
「身長ってそんなに関係あるの?
男の子からすれば確かに女子よりは高くありたいだろうけど、私はそんなに大きな問題じゃないと思うな。
私は背が高い人よりも、上を見て努力出来る人の方が好きだな」
私だってこの身長がコンプレックスだ。
この髪色が、この性格が、この体格が全てコンプレックスなんだ。
「うわー。
そういうの、普通のヤローなら落ちてるセリフだぜ。
こういうのが無意識に言えちゃうから、天然ってやつは…」
溜め息まで吐かれた。
「と、とにかく体育館行くぞ」
前を歩く夜久さんの耳は心なしか赤みが差している。