第34章 偶然

「どんなに高いブロックでも躱せることが出来れば、日向でも得点が出来る。

躱す為に必要なことは？」


「速さ！」


「もっと詳しく言うと。

0からマックスへの加速力と、マックスから0への減速力。

ただ速いだけじゃ意味がない」


「確かに柏木の言う通りだ。

ただ速いだけじゃなく切り替えがキモ。

それを養うには反復横跳びが1番手っ取り早い。



にしても柏木、お前本当に高1のガキか？

実は歳誤魔化してんじゃねーのか？」


「はい？

バカですか？」


一体どう考えたらその結果に辿り着くのか教えて欲しい。


「高1女子が考えることじゃないっつーか、お前監督やれんじゃね？」


「笑えない冗談止めてください」


「いや、こればっかりは冗談なんかじゃねぇ」


そんな真顔で言われても。


「ちょっと練習メニュー考えてみねぇか？」


「え。

面倒です、凄く」


「スイッチ入れろー」


「やです」