第31章 再会
「西谷先輩は努力もしてますが、いわゆる天才ってやつです。
本能のままに動く。
ボールが相手の手から離れた瞬間に反応し、そこから落下地点に入るスピードは誰にも真似が出来ないレベルです」
「烏野は本能の赴くまま、つー奴が多いよな」
「単細胞&ハイテンション組のことですね」
「毒舌だな、おい」
「問題児揃いです」
「スガくんも苦労してるみたいだからね。
うちも結構そういうの多いから分かるなぁ」
「そうは見えませんけど」
「今に分かるよ。
騒がしくて言うことを聞かない。
下手くそな癖に自主練から逃げる。
人見知りする」
ピクッと3人が反応する。
「なんか特定の顔が思い浮かぶ気がします」
「本当、困った連中ばっかだよな」
溜め息を吐く夜久さん。
「お互い大変ですね。
私も1年の世話役みたいなものなので」
「本当にね」